今や世界のトップ・バンドとなったU2。そんな彼等のキャリアに
は、幾つかの転機と呼べる時期があり、 その中でもアメリカと
いうロックン・ロールの母国であると同時に、世界最大の
先進大国にまさに乗り込もうとする時期が、この曲をオープニングとする '84年作 「The Unforgettable Fire」 であり、実際この曲の歌詞ではそれを象徴するかの様な、
Oh, oh, oh
On borderland we run
と言う一節がある。何かを乗り越えんとするこの一節には、 現在のU2に於いても変わらない一貫した姿勢の様にも感じる。
U2はこの作品から 「Rattle And Hum」 迄、アメリカを舞台にロックン・ ロールの再発見への旅へと向かう。結果、当時同時
期のアーティスト達(特にイギリス)からは、皮肉を込めたコメントが相次いだ。しかし、U2にはこの仮想敵となる事を引き受ける
度量、覚悟があった。 否定した側はそれを証明するもの(或いは利用したもの)を提示することとなるだろうし、U2はより巨大
な境界を乗り越えようとし、結果自らのパブリック・ イメージも巨大化させていく。
"ZOO TV TOUR"に於いては、ボノ扮するマクフィストによって、メディアによる影響力、 ロック・スターへの偶像崇拝をパロディ
化し、聴く者のアイデンティティを問うことによって、パブリック・ イメージという境界も越えようとした。
彼等のこの様な真摯な姿勢を、押し付けと捉える向きもある。しかし、 その強引さによって踏み出せる切欠となる事もあるようにも思う。
2006年、ここ日本での単独来日公演が発表された。一部では日本嫌いとの噂も流れている様だが、 そのような不安という
名の境界も、そのパフォーマンスで払拭してくれる事を期待したいと思う。
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